画像診断
尿管異所開を伴った完全重複尿管例のMR尿路撮影
三馬 省二
1
,
廣橋 里奈
2
,
阪井 利幸
3
,
根津 智子
3
,
廣橋 伸治
4
,
平尾 佳彦
5
1国保中央病院泌尿器科
2国保中央病院放射線科
3国保中央病院小児科
4奈良県立医科大学放射線科
5奈良県立医科大学泌尿器科
キーワード:
尿管異所開口
,
MRI
Keyword:
尿管異所開口
,
MRI
pp.247-250
発行日 1995年3月20日
Published Date 1995/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901409
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
患者 4歳,女児。
主訴 発熱を伴う頻尿。
既往歴 1歳頃より喘息性気管支炎を反復していたが,尿路感染症を指摘されたことなし。下着が少し湿る程度の夜尿症があった。
在胎歴,家族歴 特記すべきことなし。
現病歴 1994年5月3日より、感冒症状を伴わない高熱ならびに頻尿が出現した。近医にて投薬を受けたが軽快しないため,5月6日当院小児科を受診し,急性腎盂腎炎と診断され,同日入院した。
入院時現症 体格,栄養中等度。体温38.5℃。胸腹部理学的所見に異常なし。外陰部は外見上異常はなかったが,膿が付着していた。
入院時検査成績 尿検査で蛋白2+,多数の白血球が認められ,一般細菌培養でE.Coliが陽性であった。末梢血白血球数は8,300/μlであったがC反応性蛋白が10.0mg/dlと上昇していた。
臨床経過 化学療法により臨床症状は改善した。諸検査により,上尿管の尿道への異所開口を伴う左完全重複尿管と診断され,7月11日,全身麻酔下に腰部斜切開および下腹部横切開による左上半腎尿管切除が行われた。拡張した上尿管は膀胱近位で下尿管と交差した後,膀胱側方を下降し膀胱頸部付近で狭小化していたが,可及的に末梢まで切除した。術中,尿管の開口部位は確認できなかった。なお,VURは認められなかった。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.