Japanese
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講座 泌尿器科領域の光学的ME機器・4
レーザーによる膀胱癌の治療
The Application of Laser for Therapy of Urinary Bladder Cancer
内藤 克輔
1
,
久住 治男
2
Katsusuke Naito
1
,
Haruo Hisazumi
2
1山口大学医学部泌尿器科学教室
2金沢大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Yamaguchi University School of Medicine
2Department of Urology School of Medicine, Kanazawa University
キーワード:
光力学的治療
,
レーザー
,
膀胱腫瘍
Keyword:
光力学的治療
,
レーザー
,
膀胱腫瘍
pp.833-841
発行日 1994年10月20日
Published Date 1994/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901307
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はじめに
レーザー光の生体組織に損傷が作用を与える主な機序としては,そのエネルギー密度が高い場合には,1)熱による作用,2)圧力による作用,3)電磁界作用などの因子が関与していると考えられている1)。照射されたレーザー光のエネルギーの増加に伴って組織の加熱,凝固,炭化,気化,蒸散が生じ,レーザーメスとして利用される。この目的には炭酸ガスレーザーやNd:YAGレーザーなどの各種レーザーが用いられる。膀胱腫瘍の治療にレーザーを用いる場合には,内視鏡下に導光する方法がとられるので石英ファイバーによるレーザー光の誘導が可能で,組織内深達度が比較的大きいNd:YAGレーザーが主流となっている2)。一方低エネルギーレーザー光は,目的に応じた波長の光を用いれば,生体に投与した光感受性物質の励起光源として用いることが出来,photodynamic actionを起こし,組織を破壊することができる3,4)。この場合,光感受性物質に癌組織親和性があり,または正常組織よりも癌組織に長時間残存すれば,低エネルギーレーザー光の照射により癌組織の選択的破壊が期待される。ここでは,レーザーメスあるいはそれに類した利用法については省略し,新しい癌の治療法の一つとして注目されているphotodynamic therapy(PDT,光力学的治療法)について述べることにする。
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