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特集 新しい自律神経機能検査と泌尿器科領域への応用
マイクロニューログラフイー
Microneurography-A Neurophysiological Method to Record the Sympathetic Nerve Activity in Humans
岩瀬 敏
1
,
間野 忠明
1
1名古屋大学環境医学研究所高次神経統御部門自律神経・行動科学
キーワード:
微小神経電図法
,
交感神経活動
,
皮膚交感神経活動
Keyword:
微小神経電図法
,
交感神経活動
,
皮膚交感神経活動
pp.545-553
発行日 1994年7月20日
Published Date 1994/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901249
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ヒトの交感神経機能の測定は,従来から末梢効果器での反応を測定することにより行われてきた。すなわち心拍数,血圧,末梢血流量,発汗量などの安静時活動を測定し,Valsalva法,起立負荷,温熱負荷などを与えた際における変化量の割合を安静時活動との関係で評価してきた。現在,日本自律神経学会が編集している自律神経機能検査1)のマニュアルには46にわたる生理学的検査法が記載されているが,マイクロニューログラフィー以外のすべての方法はこの従来からの概念を踏襲している。
これに対し,マイクロニューログラフィー(microneurography,微小神経電図法)による交感神経活動の記録は,1968年にスウェーデンでHagbarthとVallbo2)により初めて報告され,ヒトの交感神経活動を電気生理的に直接記録する方法として用いられるに至っている。本法によってヒトの交感神経機能の変化をリアルタイムで直接観察し得るようになった。マイクロニューログラフィーによる交感神経活動の研究は,その後,Wallinら3)により進められた。日本でもわれわれの研究室をはじめ,各施設で本法を利用した研究が行われている。最近,アメリカ合衆国,カナダ,イタリアでもマイクロニューログラフィーによる研究が盛んとなり,特に循環器領域,高血圧領域での研究が多く行われている。
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