Coffee Break
「チンチン医者のつぶやき」
後藤 隆文
pp.209
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901184
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最近のテレビには,医学ものがいくつか登場している。古くは脳外科医『ベン・ケーシー』が有名であり,あのナレーションは今でも鮮明に思い出すことが出来る。最近のテレビでは,名取裕子の法医学助教授(同じ番組に小児外科を挫折した南果歩もいた)があったし,三田佳子の『外科医有森冴子』も大変評判だった。これには若い研修医(?)として高島政宏,内科医として岩城晃一も出演していた。織田裕二・石黒賢の外科医・内科医のコンビ,片岡鶴太郎の麻酔科医なども最近のテレビで評判であったし,田宮二郎の外科医も印象深かった。現在まで,多数の俳優さんが医者を演じているのだが,どういうわけか泌尿器科医を演じた俳優さんを記憶していない。これは偶然にウロ医者の役柄が無かっただけなのだろうか,あるいは特別な理由でもあってのことだろうか…。疑い深い性格なので次のようなことを考えてしまった。つまり,心臓外科や脳外科などは格好いい高尚な『科』だから二枚目の役者さん,内科や外科はメジャーな『科』であり主役級の役者さん,精神科は頭が良く少しニヒルな感じの役者さん,それに対して,泌尿器科は格好も悪く上品な感じもしないからテレビ出演すらおこがましいとディレクターは感じているのだろうか,と疑ったのである。当直をしながら一晩中考えたが,やはりこれは本当のところだろう。そういえば,『ご専門は?』と聞かれて,『小児泌尿器科です』と答えたことがあった。
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