増刊号特集 小児泌尿器科診療
治療の実際
尿路感染症(抗菌薬療法)
松本 哲朗
1
,
久保 周太
1
1九州大学医学部泌尿器科
pp.122-126
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901167
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はじめに
小児においては,尿路感染症(UTI)の頻度はかなり高い。しかしながら,症状が多様で,所見を正確に把握することも困難なため,正確な診断が出来なかったり,遅れたりすることも多い。また,膀胱尿管逆流症(VUR)や先天性水腎症を含んだ尿路奇形が基礎疾患となり,再発を繰り返したり,腎機能障害,腎瘢痕化,腎不全へと進行する場合もある。このため小児におけるUTIに対しては,早期診断,迅速な治療および長期にわたるfollow upが必要となる。UTIの治療には各種抗菌剤が用いられるが,小児においては安全性を十分考慮して薬剤選択を行う必要がある。本稿では小児のUTI治療の原則について整理してみたい。
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