増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅳ.術後合併症とその管理
7.尿路系
尿路感染症
松本 哲朗
1
Tetsuro Matsumoto
1
1産業医科大学泌尿器科
pp.318-320
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903246
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1 はじめに
すべての手術的操作において,操作後は一過性に感染防御機構の機能低下があり,感染症を惹起しやすく,尿路感染症も起こりやすい状態となる。術後に生じる尿路感染症のほとんどは尿路に何らかの障害があるため,複雑性尿路感染症である。尿路感染症発生は,尿路局所に手術が及んだ場合に多い。特に,尿路局所の手術においては長期間のカテーテルやステント留置が行われるため,カテーテルに基づく尿路感染症の発生がみられる。尿路に直接関連のない手術においても,感染抵抗性の減弱とともに尿道に留置カテーテルが設置されることが多く,これに基づく尿路感染症がみられる。閉鎖式導尿を用いてもカテーテル留置後,3週間以降にはほぼ100%の症例に尿路感染症が起こる。また,前捌腺炎や精巣上体炎などの性器感染症もしばしばみられる。
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