小さな工夫
デュオアクティブ®ドレッシングによる尿道下裂術後の創部固定法
杉多 良文
1
,
谷風 三郎
1
1兵庫県立こども病院小児泌尿器科
pp.439
発行日 1993年5月20日
Published Date 1993/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900961
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筆者らは尿道下裂術後の創部の固定法として綿花を緩衝とした圧迫包帯法1)を行っていたが,最近はMitchell2)が報告したデュオアクティブ®ドレッシング(10×10cm)による固定法を行い十分に満足のいく結果をえたので紹介する。デュオアクティブ®は熱傷や皮膚潰瘍に用いられる創傷被覆材で防水性の外層と,疎水性ポリマーおよび親水性コロイド粒子からなる皮膚粘着層の2層からなり,この皮膚粘着層でゼリー状の湿潤したゲルが形成され創部の組織再生を促進し,新生組織の保護に適した湿潤環境をつくるとされている。
使用方法は簡便で,尿道下裂術後創部を生理食塩水を含んだガーゼで拭いた後,陰茎の大きさに応じてデュオアクティブ®を短冊状に切り取り陰茎に巻き付け,余った部分を用いて,3点あるいは4点で陰茎が傾かないように固定する。圧迫による止血効果も良く,徐々にゲル状の湿潤環境が形成される。また外層が防水性のため,便などによる創部汚染の機会も少なく,カテーテル抜去後は入浴も可能である。術後1週間目で自然に剥がれることがなければそのまま一度退院した後,術後10日目に外来診察時除去する。
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