増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
内分泌疾患
褐色細胞腫
古川 利有
1
1弘前大学医学部泌尿器科
pp.175-177
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900895
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はじめに
褐色細胞腫は高血圧を来す外科的疾患の中では頻度の少ないものであるが,その臨床像は多彩で時に劇的な様相を呈し臨床的に興味ある問題点を含んだ腫瘍である。
本症の診断,治療については診断技術が稚拙でかつ循環動態の理解が不十分な時代では手術療法による死亡が高率にみられた。現在診断面ではカテコラミンの精密な測定とCTやMRIさらにシンチグラフィーなどによる部位診断が一層確実なものになっており高血圧を自覚せず画像診断に偶然発見されることも珍しくはなく,高血圧を全く示さない症例も報告されている。治療面では α-blocker,β-blockerが導入されたことと麻酔法および手術手技の進歩と共に腫瘍の摘出も安全に行われるようになっている。
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