増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
1 尿路・性器の感染症
性感染症
淋菌性尿道炎
上原 慎也
1
1我孫子東邦病院泌尿器科
pp.35-37
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205583
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疾患の概要
淋菌感染症は,人から人へと感染する性感染症であり,1回の性行為による感染伝達率は約30%と高く,容易に広まっていく.淋菌は,尿道炎,子宮頸管炎を中心として,咽頭炎や直腸炎,結膜炎,さらには,腹膜炎や播種性病変をも引き起こす.そのうち淋菌性尿道炎は,感染から数日間の潜伏期ののち,排尿痛や膿性分泌物の排出など,比較的強い症状を示すため,医療機関への受診機会が多く,ほかの淋菌感染症と比べ診断されやすい.診断には,膿のグラム染色,淋菌培養,核酸増幅検査法を用いる.
近年では,淋菌の薬剤耐性化が顕著であり,有効な抗菌薬が減少してきている.よって,薬剤耐性動向に注意しながら抗菌薬を選択する必要がある.
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