Japanese
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特集 前立腺肥大症の薬物療法
Ⅳ.漢方製剤
Chinese Medicine for Benign Prostatic Hyperplasia
朴 英哲
1
,
栗田 孝
1
Young-Chol Park
1
,
Takashi Kurita
1
1近畿大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology Kinki Uni-versity School of Medicine
キーワード:
前立腺肥大症
,
漢方
Keyword:
前立腺肥大症
,
漢方
pp.308-311
発行日 1992年4月20日
Published Date 1992/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900570
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はじめに
前立腺肥大症とは西洋医学における病名であり,漢方ではそれに相当する病名はみられず,症状から淋症,癃症(りゅうしょう)などの記載によく似ていると言われている1).本症の患者にはいわゆる骨盤静脈叢の鬱血や循環障害を意味する「瘀血(おけつ)」が深く関与しており,治療には駆瘀血剤を患者の性質や全身状態を意味する「証」に応じて使い分ける必要があるとされる2).
近年になり漢方エキス剤が健康保険の適用を受けるようになり,日常臨床で処方する機会も増えたが,われわれ西洋医学に携わる者が患者の「証」を的確に判断するにはあまりにも膨大な努力を必要とする.そこで,ここでは比較的「証」に拘わずに処方してもアンチアンドロゲン剤やα-ブロッカーを凌ぐ有用性が報告されている「八味地黄丸」をとり上げ3),栗田ら4),八竹ら5)が行った近畿大学泌尿器科における臨床試験の成績を中心に文献的考察を進めたい.
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