Japanese
English
特集 消化器外科と漢方
消化器手術と漢方の今後
Future perspective of gastrointestinal surgery and herbal medicine
森根 裕二
1
,
島田 光生
1
,
栗田 信浩
1
,
池上 徹
1
,
居村 暁
1
,
金村 普史
1
,
西岡 将規
1
,
岩田 貴
1
,
吉川 幸造
1
Yuji MORINE
1
1徳島大学大学院臓器病態外科学
キーワード:
漢方
,
消化器外科
,
グローバルEBM
Keyword:
漢方
,
消化器外科
,
グローバルEBM
pp.501-511
発行日 2008年4月20日
Published Date 2008/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102095
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:代替医学・医療としての漢方は,本来個々の患者の「証」を決定して薬剤を処方するオーダーメイド医療であるが,最近ではその有用性とともに分子生物学的な作用機序の解明が進んでいる.本稿では,消化器外科領域において特に有用とされる漢方方剤(大建中湯,茵蔯蒿湯,六君子湯,十全大補湯)について,現状(EBM)とともにわれわれの知見を加えて概説する.これらの漢方方剤はBRM(biological response modifier:生体反応修飾物質)という概念に基づき,多面的な作用を有している.今後は西洋医学と漢方のそれぞれがもつエビデンスを組み合わせて得られる相乗効果により,病気に対して局所的,あるいは病気(病変)を取り巻く環境に作用して治療効果を高めることが重要で,「グローバルEBM」(「分子標的治療」だけでなく漢方のもつ「人」全体を診るという要素を統合した医療)の確立へと進むべきである.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.