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特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997
4 皮膚疾患治療のポイント
酒皶の漢方療法
Treatment of rosacea with Japanese herbal medicine
三原 基之
1
Motoyuki MIHARA
1
1鳥取大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Tottori University
キーワード:
酒皶
,
漢方
,
駆瘀血剤
Keyword:
酒皶
,
漢方
,
駆瘀血剤
pp.134-137
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902189
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近年の欧米の文献によれば酒皶は皮疹のうえから4期に分けられている.第1期は顔面の反復性,発作性一過性紅斑(潮紅)であり,第2期は第1期と同じ部位に生じる持続性紅斑と毛細血管拡張である.第3期は第2期の皮疹に丘疹と膿疱が加わり,第4期は鼻瘤の形成である.一方,漢方でいう瘀血の病態の重要な皮膚粘膜症状として顔面の発作的潮紅と毛細血管拡張がある.ここに酒皶の患者が瘀血の個体を有する根拠がある.酒皶に対する漢方療法として従来より防風通聖散,黄蓮解毒湯,清上防風湯などが使われているが,これらは駆瘀血剤ではない.筆者は前述の理由から酒皶に駆瘀血剤を投与して,良好な結果をえている.具体的には桃核承気湯,桂枝茯苓丸,当帰芍薬散,加味逍遥散などを頻用しているが,著効を示す場合は1〜2週間で紅斑は著明に改善する.2週間投与して効果がなければ他剤に変えるべきである.
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