特集 リハビリテーション医療で活用できる東洋医学
漢方治療の処方の実際
河原 章浩
1
,
小川 恵子
1
Akihiro Kawahara
1
,
Keiko Ogawa
1
1広島大学病院 漢方診療センター
キーワード:
漢方
,
東洋医学
,
フレイル
,
MUS
Keyword:
漢方
,
東洋医学
,
フレイル
,
MUS
pp.26-33
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033010026
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内容のポイント Q&A
Q1 処方の考え方は?
漢方は日本の伝統医学である.病態を八綱弁証,気血津液,病邪弁証,五臓,六経弁証,衛気営血弁証を組み合わせて分析し,方剤を決定する.考え方が西洋医学と異なり,新たに学ぶ必要性があるが,臨床症状のみならず,病態の原因を理解して使用するほうが,適切な処方を選択できるようになる.
Q2 リハビリテーション科・整形外科の医療現場で活用できる漢方薬は?
漢方薬により,疼痛の根本治癒ができNSAIDsから離脱する症例は散見される.また,一剤で複数の症状に効能があるため,ポリファーマシーの改善にもつながる.加齢に伴いリハビリテーションを受けるものは,補剤を用いる機会が多いが,便秘,瘀血(微小循環障害)等の邪があれば瀉剤も使用する.
Q3 効果判定とその有用性についてのエビデンスは?
急性期疾患と慢性期疾患では判定に要する時間が異なる.急性疾患は短期間で効果判定ができるが慢性疾患に薬剤を用いる場合1~2週間程度で効果判定をみる.エビデンスに関しては明確なものがなく,今後の課題となる.
Q4 漢方薬における副作用や問題点は?
代表的な漢方薬の副作用として重篤なものに,薬剤性間質性肺炎,偽アルドステロン症,薬剤性肝機能障害,附子によるアコニチン中毒,アレルギー反応等がある.複数の方剤を使用する場合や,長期投与する際には定期的なデータ確認が望ましい.
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