増刊号特集 外来泌尿器科マニュアル—私はこうしている
巻頭言—泌尿器科外来診療の基本姿勢
町田 豊平
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
pp.4-5
発行日 1991年5月30日
Published Date 1991/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900324
- 有料閲覧
- 文献概要
病院を訪れる泌尿器科患者の殆んどはまず外来診療から医療の世界への扉をたたく.その外来で生れた泌尿器科医と患者とのコミュニケーションは,病気の帰結まで続くことになる.病院に入院して行われる診断や治療は,しばしば先端技術での医療行為が目立つためそれが泌尿器科の桧舞台のようにみえる.しかし実際は外来治療で費される仕事が最も多く,華々しくはないが個々の技量の質が最も問われるのは外来診療である.
病める患者の最初に医師と出会う場としての外来,巧みな問診からさらに最近の医療技術を駆使して診断してゆく場としての外来,複雑な処置や小手術を最小限の負担で治療する場としての外来,退院後のケアやリハビリによる社会的復帰を援助する場としての外来そして救急患者の適切な判断と治療で命を救う場としての外来,まことに多くの顔をもって振舞っているのが,外来という場である.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.