病院めぐり
鹿児島県立大島病院泌尿器科
川原 和也
pp.347
発行日 1991年4月20日
Published Date 1991/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900301
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鹿児島県立大島病院の歴史は旧く,1901(明治34)年に創設されて以来第2次世界大戦の戦災で壊されるまで,奄美大島ならびに近隣諸島の基幹病院であった.戦後米軍軍政下,琉球政府下に置かれた後,1953(昭和28)年本土復帰に伴い病院再建の気運が燃え,1955年から1962年の間に病床数350床を有す第一線病院として新生県立大島病院が生誕した.1963年皮膚泌尿器科が開設され,鹿児島大学医学部皮膚泌尿器科学教室より,当時の同教室の岡元健一郎教授門下生が1人1年毎に派遣された.10年後の1973年泌尿器科が皮膚泌尿器科から分離独立開設され,1985年からは現大井好忠教授門下生が2人派遣されるようになり現在に至っている.
奄美大島は,本土から南方に約380km離れ,鹿児島から飛行機で1時間,船で14時間を要する.1年を通し温暖で冬期の最低気温が7.4℃,夏期の最高気温が34.4℃である.比較的降雨が多く,スコールも入れると1年の約6割強を雨日が占める.夏は台風銀座で,昨年1990年には大型台風が3つも来襲し,多大な被害を受けた.夏はあまり風が吹かないためむし暑く感じ,冬には強い偏西風が吹くためにそら寒く感じる.自然の美しさにも恵まれ,島の周囲は色とりどりの珊瑚礁に囲まれ,海は限りなく澄んだコバルトブルーで,その美しさには目を奪われる.
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