Japanese
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特集 さんご状結石の治療
手術療法への適応を考える
Considering the Necessity of Operation in Various Therapies for Staghorn Culculi
田口 裕功
1
Hirokazu Taguchi
1
1国立相模原病院泌尿器科
1Urology, Sagamihara National Hospital
pp.941-945
発行日 1990年11月20日
Published Date 1990/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900195
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はじめに
腎結石に対する治療手段としての ESWL とPNL,それらの併用による治療はめざましい進歩をとげている.このため,医療の先進国である日本において手術療法の適応症例は減少し,さらに,巨大なさんご状結石や巨大腎結石に対しても,反復するESWLや多方向からのPNLの併用操作で破砕可能となり,治療不可能なものはないとまでいわれている.しかし,巨大な腎結石が破砕可能であったとしても,最良の適応症例とは別の問題であるとも考えられる.著者がかつて沖縄県において経験した腎結石は重量50〜100gに達する,硬く肉が厚いものであった.これらがESWLやPNLにより短期間に治療できることは治療方法としては理想であるが,現実には治療期間,経費効率などの点で問題を指摘されつつあることも事実である.恐らく,東南アジアを含めた赤道に近い諸国においては生活環境からこのような症例が多く存在するものと推定している.日本人が国際医療人であることを前提として考えるとき,これらの症例を含めて,適応の決定の討論が多くなされることを望むものである.
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