交見室
前立腺偶発癌と術前診断精度,他
尾本 徹男
1
1九州厚生年金病院
pp.184-186
発行日 1990年2月20日
Published Date 1990/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900034
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最近前立腺偶発癌(以下A癌)の報告が多いが,その母体である肥大症の診断精度を,爼上にした論文は少ない。この点さる4月大阪の総会での,鈴木先生(群馬大)の「偶発癌発見のための術前前立腺生検の有用性」(本誌43:491,1989)に対する,島崎先生(千葉大)の発言や,10月長崎の西日本総会での,鷺山先生(三信会原病院)の「前立腺吸引細胞診」に対する,古武先生(大阪成人病)の発言は,会場の眠気を飛ばす有意義なものであった。私は時間の関係で発言できなかったので,ここで追加討論させて頂きたい。
鈴木先生の発表は,肥大症に術前ルーチンに生検すれば,A2見落としはなくなるというもので,趣旨は納得できるが,用語,発表方法に島崎先生が指摘されたような誤解を招く面を含んでいる。まず標題が「生検でA癌を術前発見できる」かのごとく読めるが,真意は「偶発癌頻度減少または見落とされやすい微小B癌に有用」であろう。
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