Japanese
English
手術手技 難しい手術
隣接臓器へ浸潤した腎腫瘍
Surgery of Renal Cell Carcinoma of Adjacent Organ Involvement
一條 貞敏
1
Sadatoshi Ichijo,M.D.
1
1福島県立医科大学泌尿器科学教室
1Urological Department,Fukushima Medical College
pp.17-23
発行日 1990年1月20日
Published Date 1990/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900002
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腎被膜とGerota筋膜に庇護された腎の腫瘍も,時には隣接臓器にまで波及する。右腎腫瘍における十二指腸,肝,左腎腫瘍の膵尾部および脾,そして左右を問わず副腎,結腸,横隔膜などである。副腎浸潤は例外として,これら症例の予後は一般に悪い。既に遠隔転移をみることも多い。手術は高度で,しばしば泌尿器科の域を越える。手術による延命効果はあまり期待できないし,化学療法など他の治療法も無いわけではない。当然,手術適応は限られることになる。しかし,限られたこととはいえ,この適応例は存在する。これを事なく対処出来るのが本当の泌尿器科医であるとも言える。幸いにして,今日,浸潤の程度は術前にかなり予知出来る。高度の他臓器浸潤癌を泌尿器科医のみで手掛ける可能性はまずない。ここでは著者独自の判断から,われわれ泌尿器科医が扱える範囲として,隣接臓器浸潤癌を記載してみた。
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