Japanese
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綜説
噴門癌の隣接臓器に対する浸潤程度のX線学的判定について
Roentgenologic Study of the Infiltration of Carcinoma of tha Cardia to Adjacent Organs
石川 義信
1
,
又重 常雄
1
Yoshinobu ISHIKAWA
1
1東北大学医学部桂外科教室
1Katsura Surgical Dep't. Tohoku University School of Medicine
pp.493-499
発行日 1954年8月20日
Published Date 1954/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201477
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噴門癌で手術の難易及び,適不適を決定する重要因子は周辺に対する浸潤の程度であり,噴門外への浸潤の無いものは巨大な腫瘍ても容易に剔出可能であるのに反して,たとえ原病巣が少しでも噴門周辺に転位浸潤の高度のものは非常な困難を認め或いは手術不能となる.即ち肝,脾門部,膵,横行結腸,横隔膜裂口部及び後腹膜への浸潤が問題となり,特に後腹膜への転位,浸潤の程度が,手術の難易,適不適を決定すること大である.
噴門癌の手術適応及び噴門部周辺の状態をX線診断に依り判定せんとする試みはSherman1)Pack2)James3)Sweet4)大辻5)其の他数多くの人々に依つてなされているが,大低の人々は腫瘍に依る陰影欠損位置及び其の広がり方から,想像するだけであり,James3)のみが後腹膜の淋巴腺に関して述べている.然し彼も腹腔動脈根部の淋巴腺の状態は把握できないとしている.
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