特集 泌尿器腫瘍における放射線治療―変革期を迎えた令和のトレンド
企画にあたって
泌尿器腫瘍における放射線治療―変革期を迎えた令和のトレンド
溝脇 尚志
1
1京都大学大学院医学研究科放射線腫瘍学・画像応用治療学
pp.513
発行日 2022年7月20日
Published Date 2022/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207608
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泌尿器腫瘍の治療において放射線治療は多くの重要な役割を担っておりますが,この10数年間における放射線治療領域における技術革新は特に目覚ましいものがあります.強度変調放射線治療,画像誘導放射線治療,小線源治療や粒子線治療はすでに臨床現場に広く普及し,国内からの長期成績も多数報告されるようになりました.最近では,定位放射線治療が前立腺癌と腎臓癌に対して保険収載され,実臨床への普及と治療データの蓄積が進んでいます.また,前立腺癌を対象とした新規のRI内用療法製剤の開発も進んでおります.
一方,治療戦略面におきましても,膀胱温存療法に関する知見の蓄積に加えて,前立腺癌に対する寡分割照射やオリゴ転移に対する転移指向性治療などの新たな治療アプローチが開発され実臨床への展開が始まっております.さらに,前立腺癌に対する背景抑制広範囲拡散強調画像やPSMA PET/CTを代表とする新規画像診断モダリティが,診断のみならず治療戦略立案においてきわめて有用性が高いことが明らかとなりつつあり,薬事承認や臨床現場への普及が待たれる状況です.
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