特集 泌尿器科医のためのクリニカル・パール―いま伝えたい箴言・格言・アフォリズム〈下部尿路機能障害/小児・女性・アンドロロジー/結石・感染症/腎不全編〉
企画にあたって
大家 基嗣
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
pp.903
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207050
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今月号は前回に引き続き,クリニカル・パールです.今回は良性疾患を特集いたしました.クリニカル・パールという用語に関して,今回「腎移植」(977頁)を執筆いただいた篠田和伸先生(東邦大学医療センター大森病院)が詳細な定義を書いてくださいました.Evidence based medicineは医療の根幹をなすものですが,それだけでは語りつくせないもどかしさがあります.Narrativeな先人の言葉に頼りつつ,自らのフェーズを上げるのです.
「クリニカル・パールにエビデンスはあるのですか?」と聞かれると,「ない」と答えるしかありません.しかし,エキスパートの豊富な経験から正当性が担保されていて,少なくとも頭の片隅に残しておくと,将来役に立つことは確信できます.頭のなかに残るためには,キャッチーでなければなりません.つまり,記憶に残る言葉の力を借りるわけです.特に今回は泌尿器科学の範疇の広さを示すさまざまな良性疾患です.これらの疾患すべてでエキスパートであることは無理だとしても,専門医は知っておくべきものばかりです.若い医師はこのなかから将来の専門を選ぶかもしれません.患者さんが明日外来を訪れてくるかもしれません.
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