増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識
小児泌尿器疾患
停留精巣
水野 健太郎
1
,
西尾 英紀
1
,
林 祐太郎
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 小児泌尿器科学分野
pp.228-233
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206898
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以前の常識
・停留精巣はおむつが取れた頃の年齢に手術を行っていた.
・鼠径部に精巣を触知する場合でも触知しない場合でも,鼠径部皮膚切開で手術をスタートしていた.
・遊走精巣(移動精巣)は治療も通院も不要としていた.
現在の常識
・停留精巣は早期の手術(1歳前後から2歳頃まで)が薦められている.
・鼠径部に触知する精巣には鼠径部切開のほかに陰囊切開が選択肢となっている.非触知精巣の場合,診断として健側の精巣所見や画像診断を参考にする.治療としては,それぞれの専門医師の判断と経験により鼠径部アプローチか腹腔鏡アプローチかが選択されるようになっている.
・遊走精巣(移動精巣)のなかに移動を繰り返している間に上がったままの状態になる場合(上昇精巣)があり,停留精巣として手術を考慮する.
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