増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識
下部尿路機能障害
前立腺肥大症:薬物治療
大塚 篤史
1
,
三宅 秀明
1
1浜松医科大学泌尿器科学講座
pp.184-187
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206887
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以前の常識
・全般重症度判定が軽症から中等症の患者が薬物治療の適応となっていた.
・α1遮断薬(タムスロシン,ナフトピジル)と抗男性ホルモン薬(クロルマジノン,アリルエストレノール)が薬物治療の主体であった.
・作用機序や有効性が解明されていないにもかかわらず,植物エキス製剤,アミノ酸製剤,漢方薬などが多用されていた.
現在の常識
・新規前立腺肥大症治療薬として,α1遮断薬(シロドシン),PDE5阻害薬(タダラフィル),5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)が使用可能である.
・前立腺体積が30mL以上の患者に対しては,α1遮断薬と5α還元酵素阻害薬の併用療法が望ましい.
・前立腺肥大症/過活動膀胱に対しては,α1遮断薬単独よりもα遮断薬と抗コリン薬(ないしβ3作動薬)を併用するほうが治療効果に優れているが,尿閉の出現に十分注意する必要がある.
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