増刊号特集 泌尿器科検査パーフェクトガイド
Ⅱ疾患別:実施すべき検査と典型所見
[10]腫瘍
褐色細胞腫
今本 敬
1
,
市川 智彦
1
1千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学
pp.269-277
発行日 2017年4月5日
Published Date 2017/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205982
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ここがポイント
◉褐色細胞腫と腹部パラガングリオーマは,まれなカテコラミン産生腫瘍で,それぞれ副腎髄質の内・外の交感神経から発生する.
◉褐色細胞腫の10%は,多発性内分泌腫瘍(MEN)2A,2B,von Hippel-Lindau病(VHL),神経線維腫症1型(von Recklinghausen病)に関連し,このような遺伝性のものは通常良性だが,散発性では,褐色細胞腫の10%,パラガングリオーマの15〜35%が悪性とされる.
◉1976年までは2.9〜3.9%の手術関連死があったとされるが,局在診断の進歩,薬物療法,麻酔管理の発達とともにその安全性は急速に上昇した.カテコラミンの生理学的作用を理解し,術前・術後管理に精通すれば大きな合併症を招くことは少ない.
◉褐色細胞腫の治療・管理においては,画像検査による局在診断・質的診断とともに,内分泌活性に関する詳細な検査が特に重要となる.
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