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編集後記
小島 祥敬
pp.560
発行日 2016年6月20日
Published Date 2016/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205740
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第104回日本泌尿器科学会総会において,男女共同参画シンポジウム「男女共同参画活動の現状と今後」のシンポジストにご指名いただきました.正直に言って,私自身はこれまで男女共同参画事業にはほとんど疎かったので,発表にあたってはかなりの時間をかけて勉強しました.本企画に参加させていただいたことは,私にとって大変貴重な経験で,荒井陽一会長をはじめ関係者の方々には心から感謝申し上げます.
さて,生物のオスとメスへの性分化は,種によって多様なメカニズムを有します.無脊椎動物であるカタツムリは,オスとメスの機能を同時に有しています(同時的雌雄同体).交尾の際にお互いの精子を交換し,ともに産卵します.魚類には,オスである時期とメスである時期が明確に分かれる種類がいて(機能的雌雄同体),例えばクロダイは成長とともにオスからメスに性転換(雄性先熟)します.また,ホンソメワケベラは集団で生活し,最大の個体が常にオスで一夫多妻制をとります.しかし,そのオスを取り除くと,2番目に大きかったメスがオスに性転換(雌性先熟)します.生物学的に生命体の存在意義というのは,「子孫を残すこと」だそうです.したがって,これら生物の性分化機構は,子孫を効率的に残すための戦略だと考えられています.究極の“オスメス”共同参画です.
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