増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
11 併存疾患
耳鼻咽喉科系
のど(咽喉)の痛み
鈴木 賢二
1
1ヨナハ総合病院
pp.351-354
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205679
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疾患の概要
のど(咽喉)の痛みを来す主な疾患には,扁桃炎,扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍,咽喉頭炎,咽後膿瘍,喉頭蓋炎などがある.急性扁桃炎は小児期に最も多い疾患であり,悪寒・発熱・咽頭痛・嚥下痛を主訴とする.扁桃の炎症が扁桃外にまで進行し,重篤化したものが扁桃周囲炎であり,膿瘍形成したものが扁桃周囲膿瘍である.急性咽喉頭感染症としては,急性咽喉頭炎,重症型の咽後膿瘍や急性喉頭蓋炎が挙げられる.
喉頭が気道のうち最も狭い部位であるため,喉頭およびその周辺の炎症は時として致命的なこともあり,その診断・治療は迅速かつ確実でなければならない.扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍(患側扁桃周囲の腫脹が強く,口蓋垂が健側に偏位している)や咽後膿瘍(咽頭後壁の疎な組織間隙に膿瘍形成し,小児や高齢者に多いとされる),急性喉頭蓋炎(含み声,嚥下時痛を訴え,咽頭所見に乏しいことが多い)では,切開排膿などの外科的処置,入院加療を要することが多いため,早急に耳鼻咽喉科専門医に紹介する.
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