増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
10 周術期
ハイリスク患者の管理
ステロイド服用中の患者
寺嶋 克幸
1
1三井記念病院麻酔科
pp.249-252
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205652
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治療方針 薬物療法の概要と狙い
長期間のステロイド使用は,外科的侵襲とその後の創傷治癒過程に必要な副腎皮質のステロイド分泌反応を抑制する.このような副腎機能抑制患者は,周術期にステロイドの補充療法を受けなければ,循環器系の合併症を発症するリスクが高まる.グルココルチコイドはカテコールアミンに誘導される心収縮力の増加や血管緊張の維持を介在する.グルココルチコイドの減少は,低血圧にもかかわらず,心拍数の上昇を来さない可能性がある.
ストレスがなければグルココルチコイド欠乏患者でも一般的に周術期の問題はないが,上気道感染のように軽度でもストレスがある場合は,そのストレスに反応することができない.
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