増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
9 腫瘍
緩和医療
がん患者の消化器症状
上里 昌也
1
1千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
pp.226-229
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205645
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疾患の概要
主に後腹膜臓器の疾患を扱う泌尿器科においても,消化器症状を訴えるがん患者は多く認められる.その症状は腹痛,嘔気・嘔吐,下痢,便秘,腹部膨満など多岐にわたり,また重複することも多い.症状の原因として,既知の癌の進行状況から容易に推測できる病態から,急な病状変化も含まれる.正確な鑑別診断のためには,問診,視診,触診,聴診の基本を疎かにしてはならない.緩和医療であっても,採血,超音波検査,X線検査,CTなどを適宜施行し,正確な診断と評価のもとに,そのときの患者の状態に合わせた適切なマネジメントを行うことが重要である.
今回取り上げる消化器症状は,嘔気・嘔吐,下痢,便秘,腹部膨満である.腹部膨満は,その病態から腸閉塞と腹水に分けて述べる.
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