増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
5 先天性および小児泌尿器科
膀胱尿管逆流(尿路感染症)
久松 英治
1
,
吉野 薫
1
1あいち小児保健医療総合センター泌尿器科
pp.96-97
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205605
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疾患の概要
尿路感染症(urinary tract infection : UTI)は小児の細菌感染症のなかで呼吸器感染に次いで多い.年齢によって異なるが,男児の約1%,女児の約3%に発生する.1歳までは男児に多いが,それ以降は女児に多くなってくる.危険因子として,膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux : VUR)などの先天性尿路疾患,排尿障害,排便障害,包茎が挙げられる.
VURとは,膀胱内の尿が上部尿路に逆流する病的な状態である.2歳未満の有熱性UTIの30%にVURを認める.VUR gradingは国際分類に従って行う(gradeI〜V).自然消失率は,年長児より乳幼児,高度VURより軽度VUR,両側例より片側例が高い.
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