増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
1 尿路・性器の感染症
性感染症
梅毒
安田 満
1
1岐阜大学医学部附属病院泌尿器科
pp.48-50
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205588
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疾患の概要
Treponema pallidum subspecies pallidum(Tp)が皮膚や粘膜より体内に侵入し,その後血行性に散布され,侵入局所および全身の各部位に症状が発現したものである.皮膚,粘膜の発疹や臓器梅毒の症状を呈する顕症梅毒と,症状は認められないものの梅毒血清反応が陽性の無症候梅毒とに分ける.
診断としては,梅毒に特徴的な皮疹やTpの証明によって行う.Tpの証明には直接検出法と梅毒血清反応〔カルジオリピンを抗原とする方法(serologic test for syphilis : STS法)とT. pallidumを抗原とする方法(TP法)〕がある.梅毒血清反応では,まずSTS法とTP法の定性検査を行う.陽性の場合には,定量検査を行い確定診断とする.ただし,梅毒血清反応は感染後約4週間以内は陽性を示さないことがある.また,STS法は膠原病などの病態でも陽性になることがあり,生物学的偽陽性と呼ばれる.
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