増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
1 尿路・性器の感染症
尿路感染症
フルニエ壊疽
松本 正広
1
,
濵砂 良一
1
1産業医科大学医学部泌尿器科学講座
pp.32-34
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205582
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疾患の概要
フルニエ壊疽は,外性器から会陰部にかけて発生する壊死性筋膜炎であり,1883年にFournierにより初めて報告された.さまざまな年齢層にみられ,何らかの基礎疾患を有する場合がほとんどである.基礎疾患としては糖尿病(約40〜60%)が最も多く,その他,習慣性の飲酒歴,抗がん化学療法,肝硬変,腎不全,HIV感染症,栄養失調など,免疫抑制状態が背景にあることが多い.感染は,皮膚,肛門直腸部,尿道などから発生し,会陰部の毛囊炎や外傷,痔核や肛門周囲膿瘍,種々の尿路感染症に加えて,尿道カテーテル留置や尿道ブジー,前立腺生検などの泌尿器科的処置が誘因となることもある.死亡率は平均20%と報告され,診断・治療が遅れると壊疽が広範囲に進展し,死亡率が高まる.
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