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特集 知っておきたい腎移植の最新情報—基礎から臨床まで
Ⅳ.特殊な腎移植
動脈硬化の著しい患者に対する腎移植
Kidney transplantation for patients with severe arteriosclerosis
奥見 雅由
1
,
石田 英樹
1
,
田邉 一成
1
Masayoshi Okumi
1
,
Hideki Ishida
1
,
Kazunari Tanabe
1
1東京女子医科大学泌尿器科
キーワード:
腎移植
,
動脈硬化
Keyword:
腎移植
,
動脈硬化
pp.1124-1129
発行日 2015年12月20日
Published Date 2015/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205507
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要旨 動脈硬化の著しい患者に対する腎移植は,手術手技のみならず適切な術前評価,術前治療,術後管理が求められる。
無症状でもABIが0.9以下あるいは間欠性跛行を認めるFontaine Ⅱ度を有する場合は,総腸骨動脈以下の狭窄を疑い3D-CTやMR angiographyによる動脈の評価が望ましい。
高度狭窄病変を有する場合は,移植前に血行再建を行っておくことも重要であるが,全例で行うことは不可能であり,術中の対応が求められる。さらに,血管鉗子によるclamp injuryを起こすことがあるため,動脈遮断の部位・器械の選択・使用方法に関しても細心の注意が必要である。術後も移植腎動脈狭窄や動脈瘤による血流不全を発症することもあり,急性拒絶反応との鑑別が重要となってくる。
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