小さな工夫
インスタントカメラを用いた術中透視モニター像の記録方法
吉田 一成
1
,
志村 哲
1
,
門脇 和臣
1
1北里研究所病院泌尿器科
pp.821
発行日 1989年9月20日
Published Date 1989/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205072
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近年,尿管ステントの挿入,交換,経皮的腎瘻の造設,経皮的結石除去術など泌尿器科分野における内視鏡的手術手技(いわゆるinterventional uroradiology)の発達により,手術室内等において透視装置を使った手術や処置を行う機会が増加している。この際モニターの像を記録したい場合が多々あるが,多くはレントゲン技師の助力を得て,フィルムをセットし,レントゲンの管球の条件を変え撮影をしている。時にはレントゲン装置を取り替えたり患者の体を動かしてフィルムを体の下にいれたりなど多くの人の手を煩わしたにもかかわらず,透視時のモニターではとらえ得た貴重な像が記録に残せないということが意外に多いように思える。さらに撮影時の操作により手術や処置が一時中止となり,術野の清潔も保たれにくいなど困ることも多い。
そこで透視のモニター像を市販のポラロイドカメラで撮ってみた(図1,2)。フラッシュを使わず室内光のみで,できる限り画面いっぱいに撮ったものである。レントゲンフィルムのように全体像をとらえることは難しいが十分に記録として残し得るものといえるし,最近の透視モニターには像を一時止められる機構が付いているものが多く,いちばん貴重な一瞬を多くの人の手を煩わすことなく非常に簡単に,しかも術野の外で撮ることができる。さらにその写真はほんの数分待てば見られるし,何枚かの写真を撮ることもその度にX線被爆を受けずに容易にできる。
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