Japanese
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綜説
前立腺肥大症—その成因を中心に
Benign Prostatic Hyperplasia: focused on its etiology
岡田 謙一郎
1
Kenichiro Okada
1
1福井医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Fukui Medical School Faculty of Medicine
pp.7-15
発行日 1989年1月20日
Published Date 1989/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204897
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はじめに
前立腺肥大症は,周知のとうり大変多い疾患で,軽症も含めると60歳以上の男性で4人に1人は臨床的に本症に罹患していると推定され,剖検での組織学的レベルではおよそ90%に認めると報告されている。そして頻度は加齢とともになお上昇することも知られている。こうしてみると,肥大症は前立腺の異常(disorder)ではあるが,生物学的には加齢に伴う前立腺の生理的変化とさえいえる。
近年,前立腺の胎生学(embryology),アンドロジェン代謝,そして最近の増殖因子(growthfactor)に関する知見など,部分的には多くのことが明らかとなった。しかし肥大症全般に関しては,未知の点がなお多い。
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