小さな工夫
軟性鏡とつり糸を利用した尿道拡張法
高木 隆治
1
,
高橋 等
1
1新潟大学医学部泌尿器科学教室
pp.1019
発行日 1988年11月20日
Published Date 1988/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204873
- 有料閲覧
- 文献概要
尿道狭窄に対しては仮性尿道発生や,出血の危険を防ぐため,直視下内尿道切開術が理想的であることはいうまでもない。しかし,一方ではブジーによる尿道拡張術も日常診療上欠かせない治療手段であるのも事実である。能登ら1)は内視鏡と糸状ブジーを組み合わせた方法を工夫している。しかし,時にすでに仮性尿道が生じていたり,また,小児ではブジーによる尿道拡張術が困難のことがある。
このような場合,あらかじめは恥骨上部から膀胱を経由して,つり糸を留置しておくと便利なことがある。このつり糸をガイドにして,第1図に示すようにあらかじめ先端に穴をあけた金属カテーテル,腎瘻用拡張器,あるいは尿管カテーテルを用いることにより,尿道狭窄の程度あるいは年齢に応じてFr.3からFr.24以上まで適宜拡張することが可能である。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.