小さな工夫
膀胱尿道吻合糸の整理法
小野寺 恭忠
1
,
松本 恵一
1
1昭和大学藤が丘病院泌尿器科
pp.616
発行日 1992年7月20日
Published Date 1992/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900639
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前立腺全摘術や膀胱全摘後の尿路再建術時の膀胱尿道吻合において,縫合糸がからんだり,ねじれると,手術時間が延びたり,術後の尿漏れを起こすトラブルにあうことがある.そこで私どもの病院では吻合糸の整理法として図1のようなものを考案使用し,吻合時のトラブルを解消している.
尿道膀胱の端々吻合では,針の刺入は尿道側より外・内,膀胱側の内・外とかけ必ず結紮部は常に外側にできるようにする必要がある.私どもは原則として6時,8時,10時,12時,2時,4時の位置に6針かける.まず3-0バイクリルを6時の位置にかけるが,この時この器具を用いて尿道側の穴に糸を通し針を尿道の外側・内側,膀胱の内側・外側と刺入後,膀胱側の穴に通し鉗子で把持しておく(図2).同様の方法で8時,10時,12時,2時,4時の順にかけるが,バルーンカテーテルや尿管カテーテルはあらかじめ挿入しておき,バルーンを膨らませ軽く牽引しながら器具より1本ずつ糸をはずし,6時より針の刺入の順に糸を結ぶと縫合糸がからんだりねじれることがなく縫合することができる.
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