交見室
腎動脈瘤に対する腎保存手術について,他
田島 惇
1
1浜松医大泌尿器科
pp.1010-1011
発行日 1987年11月20日
Published Date 1987/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204622
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本誌41巻10号の岡本先生らの腎動脈に対する腎保存手術の2例を興味深く拝読しました。私たちの施設でも,7例の腎動脈瘤に手術を施行し良好な結果を得ています。すなわち,7例のうち5例は体外手術により,残り2例は体内手術により完治せしめています。ここで,腎動脈瘤の手術適応と手術方法の選択(体外手術か体内手術か)について若干の私見を述べてみたいと思います。
岡本先生らは手術適応として,Novicらの基準を紹介して,動脈瘤破裂の危険があると思われる場合には外科的治療の適応とすべきであると述べています。私も同意見です。ただ次のことを補足させていただきたいと思います。すなわち腎動脈に対する手術,特に体外手術は極めて安全に行える手術ですから,直径1.5cm以上の腎動脈瘤は積極的に手術した方がよいと考えます。直径1.5cm以上の腎動脈瘤は破裂の危険性を否定できないからです。
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