小さな工夫
回腸導管用に工夫したダブルJカテーテル
斉藤 史郎
1
,
秦野 直
1
1琉球大学医学部泌尿器科学教室
pp.392
発行日 1987年5月20日
Published Date 1987/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204484
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回腸導管術後合併症のひとつに尿管回腸吻合部狭窄症がある。狭窄部の拡張手技のひとつとして腎瘻造設後に順行的にダブルJカテーテルを留置する方法が用いられることがあるが,これは再手術を行うこともなく,患者への侵襲もほとんどなく,また体外カテーテルの必要もないため推奨されるべき治療法のひとつである。しかし,同腸導管内にカテーテルの一部があるため,それが蠕動によつて引つぱられカテーテル全体が抜けてきやすい傾向にあり,また従来の長さのカテーテルを留置した場合,下端がストーマより外へ出てしまうことがある。特に右尿管にカテーテルを留置した場合,尿管の長さが短いためしばしば見られる。
従来のダブルJカテーテルのこれらの欠点を補うために,われわれはカテーテルの腎盂内の巻き数を3回にし,しかもバネ状に立体的に巻いた物を作成し,腎盂内から落ちにくくした。また長さも短くし,左腎用は直線部分の長さが20cm,右腎用は15cmとしてストーマの外へ出ないようにした。カテーテルの下端の部分は従来の物と同じ構造である。
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