Japanese
English
手術手技
回腸導管造設術
Ileal Conduit Diversion
馬場 志郎
1
Shiro Baba
1
1慶懸義熱大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology,Keio Univcrsity,School ofMedicine
pp.847-851
発行日 1987年10月20日
Published Date 1987/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204581
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回腸導管造設術はBricker1)によつて紹介されて以来,きわめてすぐれた尿路変更術として評価され本邦でもすでに20年間以上にわたり多数例に実施されている2)。本術式の特徴は遊離回腸に尿管を吻合し,腸の蠕動運動を利用し腹壁の開放性ストーマより尿を集尿装具内に排泄せしめる点にある。本術式の晩期合併症として腎盂腎炎や上部尿路結石が報告されているが,その原因として尿管回腸吻合部狭窄のほかに回腸導管の慢性阻血に起因するストーマを含む導管全体の線維化,蠕動能の低下が挙げられている3)。したがつて,回腸導管造設には,尿管と遊離回腸の血行確保には十分な注意を要するとともに,閉腹時に導管に過度の張力がかからぬようにストーマを形成することが大切である。上部尿管を吻合する場合には導管全体を後腹膜腔に固定する術式もあるが,ここでは割愛し臨床的に筆者が最もよく使用する手術手技を以下に解説する。
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