増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル
Ⅴ.術前・術後1週間の患者管理
陰嚢内手術
五十嵐 辰男
1
Tatsuo Igarashi
1
1千葉大学大学院医学研究院遺伝子機能病態学(泌尿器科)
pp.323-327
発行日 2002年3月30日
Published Date 2002/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904626
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1 はじめに
陰嚢内臓器は精巣,精巣上体,精索から構成される。陰嚢内手術はこれらの臓器を対象とし,摘出術,形成術などが行われる(表1)。陰嚢内手術は比較的低侵襲であり,術後の回復も早いので,クリニカルパスを作成しやすい。陰嚢内手術で注意すべきことは術後出血による陰嚢内血腫形成と,術創の感染である。陰嚢は伸展性に富むのでoozingが遷延しやすく,意外と大きな大きな血腫ができやすいからである。したがって術中に正確な止血操作を行うのはもちろんであるが,術後観察も重要である。本稿では鼠径部から陰嚢の範囲における陰嚢内手術を念頭におき,その周術期の患者管理について記す。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.