交見室
膀胱癌の浸潤度判定法について/嚢腫性二分脊椎症の排尿障害に対する神経温存的修復術について
古武 敏彦
1
,
土田 正
2
1大阪府立成人病センター
2新潟県立中央病院脳神経外科
pp.968-969
発行日 1985年11月20日
Published Date 1985/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204177
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「膀胱癌の浸潤度判定──CTとエコーの比較を中心に」(本誌39巻8号,北村康男氏)を興味深く拝読いたしました。浸潤度判定に対する考え方を含め賛同する点の多いものでありましたが,思いつくまま二,三の問題点について意見を述べさせていただきます。
ここに挙げられた膀胱癌の診断におけるCTと経尿道的エコーは近年著しく発達したもので,著者の成績と同様にそれぞれ優れた正診率を示す報告が多く見られ,膀胱癌のstage判定における永年の問題が徐々に解決されつつあるように思われ,現在では多くの検査法の中でも欠かすことのできないものです。しかし,報告の多くは個々の診断法の特徴と利点を強調するあまり,臨床的総合判定への応用という視点に欠ける傾向があります。この点に関し著者は両者の成績をそれぞれの特徴から捉え,比較検討し総合的に応用しようという考えであり,私もまつたく同感であります。
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