小さな工夫
女性尿失禁術(Stamey-Pereyra法)用の金属針
水尾 敏之
1
,
大島 博幸
1
1東京医科歯科大学泌尿器科学教室
pp.926
発行日 1985年11月20日
Published Date 1985/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204164
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1959年,Pereyraにより恥骨上小切開創から腟前壁に金属針を非直視下操作で穿刺し,傍尿道組織を吊り上げる女性尿失禁の新しい術式が発表された。1973年,Stameyにより内視鏡検査を併用することにより適切な位置の吊り上げが可能となつた。その後の多数の追試成績で高い治癒率が報告され,有効性が確認されており,現在では女性腹圧性尿失禁の手術法としては第一に選択されるべき方法となつている。ところが,この術式に用いる金属針が本邦ではいまだ入手が困難といえる。
そこでPereyra針の原型を改良した金属針を作成した。刺入に際してあらかじめ超音波あるいはカテラン針などで恥骨上小切開創から腟前壁までの距離を測定しておき,針先からその長さに当る所に可動性を持つストッパーを移動し固定させる。この操作により過剰の穿刺を防止することが容易となる。また針の支持部を太く長くすることにより穿刺操作が楽に行える。
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