Urological Letter
大腸・膀胱瘻の稀有なる症状(The Toothpaste Sign)/The McCarthy Visual Hemostatic Forcepsの利用の薦め
pp.481,494
発行日 1985年6月20日
Published Date 1985/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204060
- 有料閲覧
- 文献概要
大腸膀胱瘻の膀胱鏡的診断は必ずしも常に容易なものではない。最近一人の婦人が尿に気泡がまざつて出た後に腹痛が起こる,と言つて来院した。彼女がそれまで診てもらつていたドクターは憩室炎としてブロード・スペクトラムの抗生物質で治療していた。赤血球は尿中に広視野で10ないし12個しか見えなかつた。
初め,膀胱鏡的には膀胱は正常のように見えた。注意深い検査の結果,最終的には膀胱後壁に小さい穴を発見した。しかし,その周りに発赤はなかつた。その穴の本当の原因は,膀胱上部の腹壁を強く圧した時に初めてわかつたのである。すなわちその際チューブの先から出る歯磨パスタ様のものの細い噴出があつたのである。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.