斜視の原因と治療
Ⅸ.Magician's Forceps Phenomenon
三井 幸彦
1
1徳島大学
pp.68-69
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208021
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斜視の問題をScnsorimotor Refiexとの関連でみていくと,たくさんの新しい事柄や問題にぶつかる。今回は「Magician's Forccpsとは何か」という問題を深く分析してみよう。一言にMagician's Forceps (MF)現象といつても詳しく見ていくと色々な形に遭遇する。EMGと対比してみるとMFをしらべる時には三つ(亜形を含めると四つ)の場合に分けて観察する必要のあることがわかる。結論から先に書こう。①まず純粋なMFが単独におこる場合,②MFとReverse PhaseReflex (RPR)とが同時に発現する場合,そして,③MFとNF型RPRとが同時に発現する場合である。図1はこれらの場合を模式図で示したものである*1。
①純粋なMFが単独に発現する場合には,図のA→B→Cのようになる。すなわちSlave eyeはMFによつて正中位*2に来る(B)*3。しかしMasterを更に強制内転させても,Slaveは正中線を越えて内転しない(C—1)。強制外転させてもSlaveは外斜の原眼位に帰るだけである(C−2)。この場合の実際の写真を図2に示す。
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