Japanese
English
綜説
α,βブロッカーの最近の進歩—尿路系に関連して
Recent Advances in α-and β- Adrenergic Blockers:Their Relation to Lower Urinary Tract
島田 和幸
1
Kazuyuki Shimada
1
1高知医科大学老年病科
1Department of Medicine and Geriatrics, Kochi Medical School
pp.455-465
発行日 1985年6月20日
Published Date 1985/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204054
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はじめに
交感神経および副交感神経を介する下部尿路系の自律神経性調節は,正常な排尿にとつて欠くことのできないものである。正常な排尿機能が障害されると,それが神経原性か非神経原性かを問わず,尿失禁(incontinence)をきたすか,あるいは閉塞性の排尿困難(outflow obstruction)を生ずる1)。尿失禁のタイプには,遺尿症(enuresis),中高年婦人に多くみられる緊張性尿失禁(stress in-continence),尿意切迫(urgency),それに前立腺術後の尿失禁(post-prostatectomy)などがある。一方,排尿困難をきたす原因には,尿路に通過障害があるために尿道抵抗の増大する場合(increasedoutlet resistance)以外に,排尿筋が無力化し収縮不十分のために排尿困難を生ずる場合(detrusoratony),あるいはその両者が共に原因である場合などが存在する(第1図)。排尿障害の治療は,このような種々の病態,生理に即して特異的に行わねばならない。第1図には各々の病態にもつとも適応とされる薬剤を掲げた。
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