臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
治療篇
11.尿道留置カテーテルと膀胱洗浄
西浦 常雄
1
1岐阜大泌尿器科
pp.2024-2027
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206947
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原理
下部尿路に機能的あるいは器質的病変が起こり,尿流の通過障害が招来された場合,その姑息的療法として尿道留置カテーテルが行われる.
下部尿路(膀胱,尿道)の尿流通過障害は,排尿困難や尿閉などで患者自身に著しい苦痛を与えるが,尿流の停滞は尿路感染を誘発し,膀胱炎,腎盂腎炎,敗血症と進展し,高熱の持続のみならず腎実質の荒廃に連なっている事一方,下部尿路の尿流通過障害は両側の上部尿路に同時に影響を与えるという点が重要である.慢性の下部尿路尿流通過障害では,無症状の中に両側の水腎症を惹起して進行し,腎不全からさらに尿毒症に進行する.このように,下部尿路の尿流通過障害は身体に対して重大な意義を有するものである故,その原因病変の除去という根治的手段を早急に行うことが必要である.直ちに根治的手段が行えない場合に,尿流のバイパス法としての尿道留置カテーテルが必要となってくるわけである.
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