手術手技
追加発言 1
小松 秀樹
1
Hideki Komatsu
1
1山梨医科大学泌尿器科学教室
pp.22-23
発行日 1985年1月20日
Published Date 1985/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203955
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主幹肝静脈以下の腫瘍血栓に関しては里見論文に詳述されている。本稿では横隔膜に及ぶ腫瘍血栓に対する筆者の経験を述べる。
術中の肺塞栓を防ぐには腫瘍血栓上端より近位で下大静脈を阻血しなければならない。しかし,肝静脈より上で下大静脈を阻血すると血液の還流不足により血圧は下降する。これに対処する方法としては体外循環がある。しかし,超低体温下に完全循環遮断をしない限り,肝静脈からの大量出血は避けられない。この血液は吸引管から体外循環回路にもどされることが多いが,腫瘍細胞の全身播種の可能性は否定できない。血栓が右心房内に進展していない場合は,下大静脈と同時に大動脈を腹腔動脈の近位で遮断する方法1)がとれる。筆者の症例を含め2例の報告しかないが,良好な結果が得られている。以下,筆者が行つた手術の概略を記す。
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