手術手技
追加発言・1
瀬川 昭夫
1
Akio Segawa
1
1愛知医科大学泌尿器科学教室
pp.416-417
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203344
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腎固定術は,かつて遊走腎症に対し,広く施行されてきたが,最近では適応症例の厳選により,その手術頻度は減少している。川口論文で分類しているごとく,遊走腎症に対する手術の他,主目的手術に併用,あるいは腎保存的手術後に行う場合が多くなつているが,絶対的適応時と同様確実に固定され,術後後遺症の少ないものが望ましい。川口論文の分類(B),(C)は主目的手術後,あるいは併用して行われる手術であり,腎固定術はまつたく従属的なもので,この場合,麻酔法,手術体位,皮膚切開,ドレーン,あるいは術後処置などは,主手術の問題であり,固定術は必要に応じて施行し,腎が完全に固定されればよい。
腎固定術は,1)下極を外側方にむけ,腎長軸を正常方向におく,2)腎孟尿管移行1部や,上部尿管を屈曲させるような異常血管,索状物などはすべて切断除去する,3)血管や尿管が屈曲,あるいは緊張しないように固定することが必要である。 腎固定術は,川口論文の記述と同様,1881年にHahnの報告以来,現在までに200種近い術式が考案されているが,症例を厳選すれば,いずれの方法でも,固定効果,あるいは腎に及ぼす影響もほとんど大差ないものと考えられる。
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