手術手技
追加発言・1
岡田 謙一郎
1
Kenichiro Okada
1
1京都大学医学部泌尿器科学教室
pp.945-946
発行日 1984年11月20日
Published Date 1984/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203916
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シスプラチンを中心とする強力な化学療法の出現で,睾丸腫瘍に対する後腹膜リンパ郭清の意義が幾分減じたことは事実である。しかし,治療法がかように進歩した現状でも,腫瘍マーカーの追跡や種々のイメージ診断によつても把えられぬリンパ節病巣はなお10〜20%存在するとされ,また化学療法でコントロールできない後腹膜転移病巣も少なくない。後腹膜リンパ郭清は,依然診断的にもまた治療面からも,睾丸腫瘍の集学的治療に重要な役割を占めている。
河合博士の「後腹膜リンパ節郭清術」は,豊富な体験に基づいた手技のコツが平易に解説され,すでにこの分野でかなり経験を積んだ医師にとつても示唆される点は多いと思う。永年にわたつて癌のリンパ節転移の問題に取組んでこられた博士の姿勢が随所に伺える。
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