文献抄録
骨盤内リンパ節転移の前立腺癌に対する体外照射治療の効果
pp.688
発行日 1984年8月20日
Published Date 1984/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203863
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前立腺癌で骨盤内リンパ節転移症例の治療法については現在諸家の意見は必ずしも一致していない。著者らは局所リンパ節以外に遠隔転移のない64例について,うち47例は根治手術と術後の体外照射を行い,17例は根治手術のみを施行して,両群の臨床成績について比較検討し,術後照射の意義について述べている。術後の体外照射は後腹膜腔内4,000〜5,500rads,前立腺部に6,100〜6,600radsを照射し,リンパ節清掃は総骨動脈分枝上方2cmまでと腸骨動脈周囲,閉鎖神経上下,クロケット腺などの清掃を行つた。放射線照射群の47例と非照射群の17例では両群症例のstage別(A2, B1, B2, C)とgrade別(高分化,中等度分化,未分化)の症例数が,各群総数に対してほぼ均等になるように考慮した。両群の治療の予後についてみると,放射線照射群47例のうち17%(8例)が5年間癌の再発もなく健在,40%(19例)が癌死し,32%(15例)が再発はあるが5年生存をしている。一方,非照射群の17例では,29%(5例)が再発なく5年間健在,24%(4例)は再発はあるが生存,35%(6例)は癌死している。
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